JPMorgan Chaseは正式に、顧客に対してビットコインサービスへのアクセス提供を開始しました。これは、伝統的な金融機関がデジタル資産への姿勢を大きく転換しつつあることを示す動きです。
5月19日(月)に開催された同社の年次投資家向けイベント「Investor Day」で、CEOのジェイミー・ダイモン氏がこの方針を発表しました。ただし、彼は引き続き暗号資産に対しては懐疑的な立場を示しています。CNBCによると、ダイモン氏は「私たちは(ビットコインを)購入できるようにしますが、保管はしません。明細書には記載されます」と述べています。
また、ダイモン氏はマネーロンダリングや所有権の不透明さ、違法活動での使用といったビットコインに関する懸念を改めて指摘しつつ、「私は喫煙には反対ですが、喫煙の権利は守ります。同様に、ビットコインを買う権利も守ります」とも語っています。
2023年12月の米上院銀行委員会の公聴会では、ダイモン氏は「自分にその力があるなら、暗号業界全体を閉鎖する」とまで発言しており、その懐疑的なスタンスは広く知られています。ただしJPMorganは、ブロックチェーン技術についてはより実用的な姿勢を取っており、同社独自のステーブルコイン「JPM Coin」を用いた国際送金やホールセール決済の実験を積極的に行っています。

この動きは、米国内の規制環境の変化とも連動しています。3月28日、連邦預金保険公社(FDIC)は、FDIC監督下の金融機関が暗号関連業務を事前承認なしで行えるよう、リスク管理の条件付きで新たなガイドラインを発表しました。これは、これまでの事前報告を求める方針からの転換です。
FDICの暫定会長トラヴィス・ヒル氏は「今回の方針は、過去3年間の誤った政策からの明確な決別であり、今後も銀行が暗号資産およびブロックチェーン関連業務に安全かつ健全に参加できるようにする一連の取り組みの第一歩となる」と述べました。
また、5月13日付のPYMNTSの報告によれば、仮想通貨やトークン化された証券など、デジタル資産の機関採用は不可避とされつつあり、厳格に規制された金融機関がこの流れをリードしているとのことです。
JPMorganによるビットコイン提供は、伝統的金融機関が顧客のニーズに応じてデジタル資産の導入を受け入れ始めているという、より広範な動きを象徴しています。